日付が二十六日に変わってすぐ、街ではクリスマスの装飾の撤去作業が始まったようだった。眠らない街である新横浜では朝までクリスマスの夜が続くが、都合上どうしても朝までに片付けてしまわなければならないものもあるらしい。片付けてしまったらどうなるのかというと新たに正月までの数日間、今度は年の瀬らしい飾り付けが施されるのだ。忙しないものだ、とナギリは感心する。
人間と吸血鬼とが混ざって作業している姿に視線をやりながら、ナギリは漫画家の仕事場へ急いでいた。ようやくアシスタントが手伝える段階に入ったということで、今回は短い描き下ろし漫画の完成を目指す予定になっている。それが終われば仕事納めという流れだ。ぜひとも順調にやってしまいたい。もう一つの仕事である吸血鬼退治人見習いは納めようとしても納まらない職業なので、ここで少しでも時間的な余裕を確保しておきたい。なにしろ、いよいよもう後五日で――
(……カンタロウの誕生日だ。五日なんてすぐだな)
ナギリの思考もいよいよ彼の誕生日が中心になってきている。ケイ・カンタロウ。職業は警察官、吸血鬼対策課の戦闘要員。そうなる前には交番に勤務していた、辻斬りナギリの被害者の一人である。それなのに逮捕したナギリを同居人とし、恋人となるにまで至った人間。
(カードは大丈夫だろう。俺のスペースに置いておけば、当日前に見付かるなんてことはない)
カンタロウと同じ家で暮らしているナギリは、彼に渡す予定のバースデーカードを自分のスペースに隠している。具体的には丸電球のベッドになっているクッションの下、背の低いキャビネットの引き出しの中だ。プライバシーの尊重だの何だのと言ってカンタロウはそのあたりを覗こうとはしないので、カードぐらいは問題なく隠すことができる。
クリスマスに続いて誕生日の当日にも良い思い出を増やしてやりたい。そうすることで少しでも彼が寄越してくれるものに応えたいと、ナギリはそう考えている。
◇
と、そんな風に良い気分でスクリーントーンの処理をして、どうにかオータム式特別執筆室行きを免れ、無事カンタロウと暮らす家に帰り着く。それから朝と昼を過ごせば二十六日の夜になる。
カンタロウの出勤を見送った後、程なくしてナギリは自分も準備を済ませて出発した。今夜の仕事場は吸血鬼退治人組合の拠点である。新横浜のギルドの拠点はギルドマスターが副業として営む飲食店であり、試用期間であるナギリにとっては店の方の手伝いも退治人仕事の内なのだ。これは元々全国指名手配の敵性吸血鬼であり、VRCへの収監と紆余曲折を経て様々な手続きを為されたナギリが、新横浜に留め置かれながら暮らしていくための社会勉強を兼ねた仕事でもある。とはいえ働いた分の給料はきっちり支払われ、漫画家アシスタントとの兼業も認められている状態で、決して束縛されているような感覚はない。何より現状、吸血鬼対策課の人間であるとはいえ自分の被害者でもあるカンタロウとの同居すら許容されているのだから、束縛どころか許されすぎていると言われても仕方がないくらいだ。
「メ~リメリメリクリ! 我が名は吸血鬼メリーおかわりマス!」
ただし、ギルド所属の退治人という職業は楽なものではない。年中無休に近い。下等吸血鬼は時節など気にせず発生するし、こうしてあえて年末ギリギリを攻めてくる高等吸血鬼も存在するからだ。
高等吸血鬼が名乗りを上げてから騒動を起こすタイプの珍妙な事件はとくに、この新横浜の街ではお馴染みなのである。年の瀬でも年始でも暴れるやつは暴れる。吸血鬼対策課と退治人達が泣く羽目になる。
「人々にクリスマスをおかわりさせる恐るべき吸血鬼メリ! これからこの街は冬が終わる頃までクリスマスを繰り返すのだメリ! 春は来るメリ、春が来ないのは寂しいメリからな」
「なんだこいつは! クソッ、おさまりの悪い語尾をしやがってッ」
ナギリも元敵性吸血鬼の身であるゆえあまり文句は言えないのだが、それでも退治人を名乗ろうとしているからには、吸血鬼事件の解決に努め一般市民を守らなければならない。メリーおかわりマスとやらの能力は他者を直接傷付けるものではないようだが、周囲を見回してみれば建物や人々がクリスマスらしい装飾だらけになっているので、身体に何らかの影響を与える吸血鬼に該当する。放置するわけにはいかない。
「ヌーッ!」
そんなナギリの足元を本家丸ことアルマジロのジョンが可愛らしく転がっていく。クリスマスリースをすっぽりかぶせられたその姿は能力の影響を受けたものだろう。
「……丸! どうしたんだ丸ーッ!」
「ジョーン!」
やや遅れて走ってきたのは使い魔としてのジョンの主人にあたるドラルクだ。さすがは長年生きている高等吸血鬼、姿が変わっていないようで彼には能力が効いていないらしい。それでも体力の問題でかなり息切れしてしまっている。そのスマートな全身に巻かれた金銀にきらめくモールの重みもつらいのだろう。
「貴様もどうした!」
「見ての通りクリスマス化に巻き込まれたんだ! 私自身が問題なくても、ほら、このモールがもうどんどん絡まってきて重いわ動きづらいわでこう……あっ。チクッとした」
ドラルクは砂の山になった。とはいえすぐさま腕から再生して、どうにかこうにかモールをどかそうとしている。
「ええい、貴様はとりあえずしっかり丸の主人をやれっ!」
ナギリはリースのジョンを保護して、復活しつつあるドラルクの体から金銀のモールを外してやった。問題の吸血鬼メリーおかわりマスはどこかへ行ってしまったが、ギルドや吸血鬼対策課も動いている頃だろう。ナギリもそこに加わるかたちで追跡すればいい。
「いやいや、すまんね。若造のとこにちょっかいをかけに行くつもりだったんだがな」
「後で好きにかけろ、俺を巻き込まない程度にな。ひとまず今は丸を連れて避難を……」
と、リースのジョンを惜しみつつ引き渡しながら指示しようとしたところで、背後からまた別の声が混ざってくる。
「むっ、ナギリにドラルク。それに可愛らしいリース……かと思ったらジョンではないか」
「ああ、半田くんか。おっと、君も吸対の仕事だな?」
カンタロウの先輩隊員である半田だ。吸血鬼対策課の最優先事項である一般市民の避難誘導にあたっているところなのだろう。
「今、ギルドの退治人達がシュトレンの着ぐるみ姿でメリーおかわりマスを追っている。着ぐるみは吸血鬼の能力による装飾だ。もちろんロナルドもだ、バカめぇ!……お前達も注意して行動してくれ」
「ご覧、ジョン。ロナルドくんを煽りながら吸対の仕事をしてる人」
「ヌー」
ドラルクとジョンは慣れた様子で半田に反応しているが、ナギリは彼のこの情緒の移り変わりにいまだに慣れていない。カンタロウの他の仲間達は揃って『いやいや、そういうのカンタロウさんも負けてないですよ』とか『そうだな、いいカンタロウの時があればわるいカンタロウの時もあるから』とか言ってくるがナギリの視点からはいまいちピンとこない。元々指名手配犯だったナギリが、自分の都合でダンピールを警戒していたためでもあるのだろうが。
「ナギリはこれから退治人達と合流するのか? カンタロウのやつは心配してるようだが、大切なのはやはり当人の意志だからな」
だろうが、とはいえ半田は間違いなく話の分かる男でもあるのだ。
「……そのつもりだ。シュトレンにされるつもりはないがな」
「うーむ、シュトレンか。着ぐるみではなく安全な本物だったら腕の人が全部食べて解決できそうなのに……ところで丸ごとなのかね、それとも薄切り?」
「いや、全員厚切りの着ぐるみだという情報が入っている。つまりロナルドも厚切りだな! バカめぇ!」
そう、時に多少様子がおかしくなりはするものの。
(半田のこういうところに負けてないとはいっても、カンタロウのやつは常にああいう感じだろう? 俺のせいで変わってしまった部分も大きいだろうが、シュトレンを丸ごと食べたそうな顔して見つめるようなバカなのは多分元々の……あいつめ、俺だって料理用の刃物の扱いには慣れてきてるんだから上手く薄切りにしてやれるのに……)
VRCの外で暮らしてもいいということになってから、ナギリは人間が生活するために必要なことを意識して身に付けるようになった。例えば吸血鬼は人間の生き血を奪わなくとも人工血液を吸えば生きていけるが、人間は人間のための食事をしなければならず、その食事の内容が寿命に影響を与える場合もあるという。だから学ぶことにした。ジョンを通して知り合ったドラルクの助力もあり、努力は確実に実を結んできている。
カンタロウと生きていくと決めたから、彼のためになるものを作り出せるようになりたかった。彼から奪ってしまった過去を消すことはできないから、与えるための手段を模索したかったのだ。
(退治仕事なんぞさっさと終わらせて、あいつの誕生日の段取りでも考えたいところだな。それが今の俺に必要な時間だ)
血刃ではなく料理用の包丁を出して、獲物よりもカンタロウの腹に入る料理と向き合っていたい。それは辻斬りが新たに見付けた、それなりに重たい一生の欲望だった。
(……それにしたって、まったく俺も変わったものだ)
妙な能力を使う吸血鬼が現れると、退治人も吸血鬼対策課も大騒ぎだ。ただの大騒ぎで済むのであればまだ平和な話だと割り切ることにして、ナギリは自ら退治人の端くれを名乗る身としての仕事をする。カンタロウもきっとそのあたりで一般市民の避難誘導のために立ち働いているはずだ。
(あいつの傍で俺が変わっていく。今年も色んなことがあった……)
こんな騒動のさなか、しかも三十一日に大きなイベントを残しているというのに今まとめに入るわけにはいかないのだが、つい振り返ってしまう。
吸血鬼対策課の人々にとってもまた、年末年始の休暇というものは無いに等しい。カンタロウが所属する隊などは隊長のヒヨシも元旦生まれなもので、慌ただしい中でふたり揃って祝われるような夜勤になるのだそうだ。
(いい職場でけっこうなことだな。だが、俺の祝福は別腹だろう?)
ナギリがカンタロウの誕生日を祝うことにはきちんと意味がある。今のナギリにはそうであると信じることができる。
「……いたな! クリスマスを繰り返すとかなんとかほざいてるそこの吸血鬼、この俺が大晦日の錆にしてくれる!」
「なにっ! 年末系退治人のお出ましメリか!」
吸血鬼メリーおかわりマスを発見したナギリは、真っ向から勝負を挑んだ。結局はそれが一番早い。逃亡中の指名手配吸血鬼ではなくなったのだから、もうこそこそと行動しなくてもいいのだ。
「クリスマスは不滅なり! 退治人はシュトレンにしてやるメリ! ウオーッ、メリークリスマス!」
「年末が来てくれないようだと俺は困るんでなァ!」
「うごごーッ! ぐぐぐっ、なかなかの体術! こっ、これではクリスマスビームでシュトレンにイミテーションさせることができんメリーッ!」
真っ向からとはいっても真っ直ぐ体当たりをするわけではない。リースや重い着ぐるみを着せてくるビームに関してはドラルク達から情報をもらっているので、背後へ回って羽交い締めにして放たれても当たらないようにする。
「アホ吸血鬼め! 一気食いしようとするバカの前では厚切りも薄切りも関係ない!シュトレンなどはクリスマス前に食い尽くされるぞッ!」
「なにーッ、一気食いだと! それは糖分と脂質の甘い暴虐、シュトレンに対する裏切り! 切り口を毎日愛おしむロマンも崩壊してしまうメリメリメリ!」
「増えるのか、その語尾は」
ともあれ、大声を張り上げながら敵を抑えているのにはそれなりの理由がある。
彼に気付いてもらうためだ。彼ならナギリの声を必ず拾ってくれる。
「ナギリさあああああんッ!」
そして、必ず来てくれる。それもまた心から信頼できることだ。彼がナギリにそう信じさせてくれるから。
「げえっ、吸血鬼対策課メリ!」
「カワイイ着ぐるみを着せられようとも吸血鬼対策課は不屈なり! 御用でありまあああああす!」
「グエーッ! はさみうち!」
ナギリに羽交い締めにされているメリーおかわりマスを確保しにかかるのは、吸血鬼対策課の白い制服の上にシュトレン、ではなくジンジャーブレッドマンの着ぐるみを着せられたカンタロウだ。退治人がシュトレンならば吸血鬼対策課はジンジャーブレッドマンという方針なのかもしれない。
そしてそこからはうっかり逃げられることもなく、アドベントカレンダーのような衣装をまとった吸血鬼メリーおかわりマスは、クッキー人形姿のカンタロウの手で無事確保された。退治人が吸血鬼を抑え、吸血鬼対策課が後を引き継ぐスムーズな流れである。
「ご無事ですかっ、ナギリさん! 遅くなりまして!」
「見ての通り俺は無傷だ。しかしなんだ、ずいぶんでかいクッキー人形だな……ククッ」
厚みのある肉体のおかげでずいぶん存在感がある人型だ。ナギリがかつて持っていた分霊体などよりずっと強そうに見える。
(……まあ、今の俺はこのでかいクッキー人形が一番好きだしな)
なにしろ、あえて彼を待つような戦い方を選べるほどだ。分霊体が壊れる前、信頼できる相手などいなかった頃には考えもしなかったやり方である。
「お前のそれ、なかなか似合ってるぞ。かわいい……かもしれん」
「えー! 嬉しいような複雑なようなっ……」
それはようするに、彼から教わったようなものだと言っても過言ではないのだった。
◇
吸血鬼メリーおかわりマスが護送され、ナギリはカンタロウとともに早めに帰宅することになった。
今回能力を浴びた者は皆VRCで検査を受け、各自不調や異常は確認されなかったのだが、吸血鬼対策課所属の該当者に関しては早退して様子を見るようにという指示が出たのである。浴びた能力が肉体の一部を変化させる類いのものであったためだ。退治人ギルドの方でも能力の影響を受けなかった者が夜明けまでの見回りなどを担当することになり、お手柄だったナギリも休養がてらカンタロウに付き添ってはどうかという話になって、その提案に甘えることにしたのである。ギルドからの当番手当は変わらず出るのでナギリは損をしないのだ。
「ギルドの皆さんに感謝しなければならないでありますねっ」
「そうだな、まだ日付も変わっていないから……とはいえ、これから他にでかい事件でもあれば呼び戻されるだろ」
「そこは何もないことを祈るであります……!」
ふたりとも体は元気なので、何も起こらなければ今夜は呑気に休んでいられる。
「せっかくですから、今日は本官がお食事も! ナギリさんにも楽しく食べてもらえるものを!」
「食材は買ってあるんだ、俺に作らせろ。お前の飯を作るのは俺の特権だぞ? 家事は普段通りの担当分をやっとけ」
「そっ、それはもちろん! ナギリさんの特権……本官幸せであります……!」
仕事のすぐ後であるしクリスマスの翌日でもある。カンタロウのために消化の良い温まるものを並べてやりたい。元来器用ではまれば長続きするナギリにとって、今や料理は趣味の内でもあるのだ。カンタロウの食生活を健康的なものにするためにも、彼の苦手な野菜までそれこそ楽しく食わせてやらなければならない。
そうして予定通り喜んで食べてくれているカンタロウの向かいの席で、ナギリも人工血液を口にする。そんな食事の時間を終え、しばらく休んでからそれぞれ入浴する。入浴の後に食事をするのが良いとも言われているらしいが、ナギリはその点はカンタロウがやりやすい方に合わせている。ナギリ自身には元々こだわりも何もないもので、とにかく第一に考えるのはカンタロウが体を壊さないようにすることだ。それが今のナギリにとっての生活というものである。
ソファに並んで温まった体を寄り添わせ、いつの間にやらカンタロウの膝に抱かれている。そんな穏やかな時間もまたふたりの生活の一部だ。
「ああっ! 一緒にお風呂に入っておけばよかったであります! せっかくふたりで早めに帰ってきたのに……!」
「狭いだろうが」
それなら今度また温泉にでも行きましょう、とめげずに提案してくるカンタロウを見ていれば思わず笑みも漏れる。初めて温泉に連れて行かれた際には参ったものだったが、今ではたまになら悪くないだろうと思える。
「……今日、ナギリさんが本官に分かるように声を出してくれて助かりました。本官やっぱり好きな人のことは守りたいタイプであります」
「あまり甘く見るなよ。俺は新横浜のギルドに登録した吸血鬼退治人だぞ」
呆れた風に返してやるが、カンタロウはいまいちしゃきっとしない。
「ナギリさんの夢を応援したいという気持ちはずっとあるのであります、けれど……吸対が退治人を守ってはいけないという決まりはないでありますしっ」
拗ねている時には比較的声が小さい。彼と一緒に暮らすようになってからよく知って、そろそろ慣れてきた一面だ。ぎゅうと抱き締められると満更でもない気分になって譲歩してしまいたくなりはするが。
「俺はお前が必ず駆けつけてくると信じたからこそ、ああしたんだ。それでいいだろうが。上手くいったしな」
「うーん……」
ただ彼に甘えて守られているだけで満足するつもりはない。
ナギリはかつて無辜の人々を傷付けた。ゆえに自らの罪を決して忘れることなく生きていこうと決めた。そして、自分の被害者の一人であるカンタロウと――自分と一緒に生きたいと願ってくれたカンタロウと、約束したのだ。ただ運命を恨むだけではなく、これからの生き方をよく考え、ナギリ自身の未来も大切にしながら歩んでいくと。過去を省みるためにも未来から目を逸らさないようにする、と。
だからナギリは自分の力の使い方を、生き方というものを考えている。カンタロウとともに生きることがナギリの望みであるなら、カンタロウとともに戦うこともまた確かな願いだ。
(……お前が生まれた日を待ち兼ねて、祝うこともまた俺の喜びだ)
彼を見ているとそうしたくなる。ゆえにナギリは、少なくとも彼に堂々とおめでとうを言えるように生きていかなければならない。
十二月の三十一日までもうあと少し。まだ少しあるとも言える。待ち兼ねる日があるという感覚を、過ごしてきた日々を忘れずに未来を想うことを、今のナギリは大切にしている。
「……それはもちろん、ナギリさんが呼んでくれるのでしたらいつだってどこにだって駆けつけるつもりではありますが!」
「そうだろう。だから俺は心配してない」
「本官のことを信じているから?」
「……そうだな。そういうことだ」
目の前にいる彼という存在ごと、大切にしていくつもりで毎日を生きている。
(お前もせいぜい楽しみにしてろ。まずは誕生日だからな)
もらってばかりではいられない。カンタロウだってナギリが贈ろうとするもの全て受け止めて覚えていてくれる。
そう信じていられるから、胸が躍るこの感情に嘘はないのだ。